建物全体が仏の胎内と捉える当寺院ではその最上階に本堂を設けました。本来、本堂は御本尊を崇めるように、上り坂になっているのですが、当寺院の本堂は下り坂になり、御本尊と視線の高さが合うようになっています。その構造は泉涌寺の本堂を倣ったもの。泉涌寺が天皇家御用達であるため、御本尊と天皇家を同じ高さにしたのです。
また中央に一本赤い絨毯が敷かれていますが、こちらは真言宗泉涌寺派が赤を基調としていることに由来します。
本堂内には伝統工芸品である玉虫の羽根を用い、下の木も無垢が使われています。
また正面右手には擬岩石が飾られ、自然との調和を表現しました。
耳を澄ますと鳥の鳴き声が聞こえます。これはクーネという空間音響デザインによる高野山の音も届けられるように設計されているからです。都会の喧騒の中にあって自然の癒しを体験できるお寺をつくりたいという想いから設置しました。